とりプロなう58号

選挙市民審議会 第5回第3部門審議会

2016年7月26日(火)14:00-16:15衆議院第2議員会館第2会議室にて、選挙市民審議会第5回第3部門審議会が執り行われました。

日本の停滞した政治状況を打開していくための市町村議会選挙改革。議員が高齢者男性名望家に偏っていること、政策本位の選挙ではないこと、問題議員を落選させられないこと等、大選挙区単記制(複数人を選ぶ・一人が一名の候補者に投票)の市町村議会選挙は、課題が山積しています。

現実的かつ効果的な改革として、制限連記制の導入が提案され決議されました。原案は、議員定数20名までの市町村議会については、2名までの連記、同30名までは3名、同40名までは4名、41名以上は5名までの連記を認めて投票するというものです。制限連記制について寄せられた批判に対しても応えうる内容です。

今後詳細を詰めていきますが、年末発表の中間答申に盛り込まれる予定です。

三木由希子共同代表

選挙制度に詳しくない人にも、国会議員にも理解されやすい改正案を。

死票を少なくすることも重要だが、それだけが重要課題でもない。政党の役割・位置づけに影響を与える必要あり。理想論だけでなく、現実政治の中で現実政治を変えること。

地方議会に自らの選挙制度を改正する余力は現状ないだろう。条例ではなく法律の改正で。

桂協助委員(第2部門)

制限連記制導入に賛成。おそらく地方議会に良い影響を与える。市民運動の中からグループ化、さらには政策に基づく政党化が促される。

連記数2名から5名までは、実際に選挙運動に携わった経験からも妥当な数と言える。

 

大山礼子委員

制限連記制の導入は、大選挙区現行の選挙区割りを用いるので抵抗されにくい改正案。自書式投票から記号式に変えるだけでさえ抵抗が大きい現実。

大選挙区制限連記制においては、連記数と議員定数が近接すると小選区制に近い議席の独占現象が起こりうる。2名から5名までが妥当と考える。

確実に女性議員が増えるとまでは言えないが、単記制よりは期待ができる。

 

 

太田光征員(第2部門)

制限連記制は条件によっては議席の独占を許す制度。無所属議員の死票をも移譲する自説の「中選挙区比例代表併用制」を推奨。

単記移譲式でも移譲回数を有権者が決める方法はどうか。

政策に基づくグループ化に反対ということではない。

 

桔川純子委員

制限連記制導入に賛成。

主に女性候補者を擁立する地域政党に注目してきた。「一人の女性がこうして目覚めていくのか」という賛嘆の思いを持っている。この流れで政治と生活が関わっていけるように思う。

8月に韓国を訪れるので、韓国の選挙管理委員会の実情を調べて報告をし、今後の第3部門の審議に寄与したい。

城倉啓事務局長

健全な政党政治の育成を志向したい。

制限連記制よりも一人三票制や、複数候補者に得点をつける方式の方がゲーム性が高いのでは。

議員定数6名かつ連記数2名の村議会選挙が、定数と連記数の最も近接した事例。実際の選挙結果に即しシミュレーションをするが議席独占現象はなさそう。

今後具体条文にあたって公選法部分改正案を詰める。


他にも小林五十鈴委員(第2部門)の陪席、また複数の市民傍聴がありました。「まだまだ地方にあっては男性に遠慮して立候補する女性が少ない」「第1回衆議院議員選挙(大選挙区連記制)を彷彿とさせるが、〝地域から女性議員を” が常道」などの声が上がりました。性差別という現実にも切り込みたいです。

 

【次回以降の選挙市民審議会の予定】

 8月18日第2部門審議会(1994年の政治改革の総括:只野雅人共同代表)

 8月23日第1部門・第3部門合同審議会(立会演説会:濱野道雄委員、ローカルマニ フェスト:北川正恭委員)

 9月15日全体審議会(政党政治:只野雅人共同代表・三木由希子共同代表)