とりプロなう65号

第9回選挙市民審議会第1部門審議会

2016年10月24日(月)17:00-19:15、第9回選挙市民審議会第1部門審議会が開催されました。それぞれ分担している改正案を持ち寄りました。特に今回は、選挙運動期間の撤廃と、18歳未満者の選挙運動の自由化の本格審議が始まりました。中間答申で発表する提言の内容を詰めていく作業が続いています。

石川公彌子委員

政治学者

前回は複数案を示したが、今回は一つに絞った。供託金制度を廃止するという最も思い切った提案をしたい。

供託金は消費者物価の伸び以上に高騰しており国際的にも極めて高額だ。自由民主党からも見直し提言が出されている。格差拡大・貧困・少子化・過疎などの深刻な問題に直面する非正規雇用者・育児中の女性・高齢者・障害者等の立候補の妨げとなっている。これらの人材が立候補しやすくなるよう早急に供託金を廃止し、より国民の生活実態に即した政策立案を可能にすべきである。

片木淳共同代表

早稲田大学教員・元自治省選挙部長

第1部門の改正提言のうち、戸別訪問の自由化、電子メールによる選挙運動の自由化、ローカル・マニフェスト頒布の自由化、立会演説会の復活および第三者の公開討論会の自由化の四つを括る見出しを、「選挙運動を自由に楽しく」とする。

この括りの要旨を共通記述として5-6行で示す。そこで、「市民の政治への参加を促進し、民主主義と地方自治の更なる発展、向上を図るため、現行の選挙運動規制は抜本的に改革すべきである」と掲げる。

 

坪郷實委員

早稲田大学教員・政治学

選挙運動期間を撤廃する。1889年の衆議院議員法に選挙運動期間は設定されていない。1925年普通選挙法において初めて事前運動禁止の規定が置かれ、1934年に立候補届け出前の一切の選挙運動禁止規定が設けられた。1945年の法改正、1950年の公職選挙法制定においても引き継がれ、選挙運動期間の短縮が断続的に(9回)続いている。短縮の理由は政権党・既存政党・現職議員に有利な理由付けである。

選挙の主体は市民である。選挙運動期間を撤廃することにより、市民が萎縮せずに政治的表現の自由を駆使できるようにすべきだ。米英独伊加に選挙運動期間は無い。

小林幸治委員

市民がつくる政策調査会事務局長

1952年の公職選挙法改正時に戸別訪問全面禁止等と共に未成年者の選挙運動の禁止規制が導入された。

1994年に日本政府も批准した子どもの権利条約第2条は、子どもの政治的意見による差別を禁じている。

2014年、日本国憲法の改正手続に関する法律でも18歳以上の投票権が付与され、また国民投票運動に未成年者規制は存在しない。そして2016年参院選より「18歳選挙」が実現している。この流れを受けて、18歳未満者の選挙運動も自由とされるべきだ。

城倉啓

とりプロ事務局長

選挙運動期間の議論に、憲法改正手続の国民投票運動期間(60-180日)との比較も盛り込めないか。選挙運動期間がなくなり、運動規制だけが残ると、すべての期間でさまざまな言動が摘発されないか。自由化と抱合せが望ましい。

期間撤廃により今までの「事前運動」「選挙運動」「政治活動」という定義がなくなる。新しい概念を生み出すか、または憲法の保証する政治的表現の自由のみでくるめるかが必要となろう。

 


濱野道雄委員(西南学院大学・神学)提出の「立会演説会の復活と第三者主催の公開討論会の自由化」については片木代表が清書して11月30日の全体審議会で提示することになりました。また、ほぼできあがっている「電子メール選挙運動の自由化」、「ローカル・マニフェスト頒布自由化」についてはメールで微修正をすることとなりました。「公費負担の見直し」については、中間答申ではなく一年後の最終答申に盛り込むことが決まりました。

 

【選挙市民審議会の予定】

11月15日(火)18:00ー19:45  第3部門審議会 衆議院第2議員会館第2会議室

11月30日(水)17:00ー19:30  全体審議会   衆議院第2議員会館第4会議室