とりプロなう72号

第10回第1部門審議会開催

2017年3月2日(木)18:00-19:20選挙市民審議会第1部門審議会が、衆議院第2議員会館第8会議室で開催されました。坪郷實委員(早稲田大学)による買収禁止規定についての発題、濱野道雄委員(西南学院大学)による被選挙権年齢についての発題をいただき、全体討論を行いました。

坪郷實委員

従来の公選法の体系は、1条の目的規定に従って、「選挙の自由・公正」という観点からつくられてきた。13章の選挙運動についての規制・禁止規定や、16章の罰則の立てつけもその流れにある。

しかし、選挙権という権利の観点からの選挙犯罪のとらえ直しが必要ではないか。英国は長期間かけて慎重に腐敗行為にのみ罰則を設けた。独国には取締法はなく、腐敗行為は刑法で裁く。日本は買収罪の適用が国際的に多い国でもある。

公選法で選挙犯罪を取り締まるべきかどうか、それとも刑法に選挙犯罪を入れ込むべきか、公選法は選挙手続きのみに特化すべきかどうか、憲法・刑法・行政法の専門家からも意見聴取をしたい。それによって、公選法1条の目的規定の書きぶりが変わる。

濱野道雄委員

被選挙権の位置づけについて、「権利能力説」から「立候補権説」に、憲法学の中でも重点が変わりつつある。選挙権と被選挙権は表裏一体の権利と考えることができる。選挙権が18歳以上になったのであれば被選挙権も18歳以上で良い。ただし民法の成年年齢20歳との関係が論点として残る。

国際比較においても、少なくとも下院は選挙権年齢とそろえることができよう。

年齢が「良識」を保証するのかどうかは疑問。また立候補の要件に「学歴」も無い。主権者教育とせっとにして引き下げを。間口を広くし、あとは立候補者の政策と能力で競わせれば、投票率も上がるだろう。

 

 

<自由討論のいくつかの意見>

参議院だけが「良識の府」ではなかろう。衆参の差異はいかがなものか。

被選挙権年齢をいきなり18歳に引き下げることは世論の抵抗が強いのではないか。衆参ともに20歳以上ではどうか。

政治に参加する権利を前面に出すとなると、第1条の目的規定はどのような文言になるべきか。

諸外国の成年年齢は選挙権年齢に合致しているのか、被選挙権年齢に合致しているのか。

【今後の選挙市民審議会の開催予定】

第2部門審議会 3月22日(水)17:00-19:00 国会議員会館内会議室