とりプロなう77号

選挙市民審議会 第12回第2部門審議会開催

2017424日、衆議院第1議員会館第2会議室にて、とりプロ選挙市民審議会の第12回第2部門審議会が開催されました。

この日の審議内容は、フランスにおける小選挙区2回投票制と、田中久雄委員の衆議院選挙制度私案です。また12月にまとめられる最終答申に向けての工程表も確認しました。

只野雅人共同代表

 

「デュヴェルジェの法則」によれば、決選投票を行う二回投票制は、柔軟で、相互に依存し、比較的安定した多党システムを導く。1990年までのフランスにおいては、中道左派と中道右派による二大ブロックを基軸に、いくつかの小政党が存在した。それは時に、一方のブロックに大勝をもたらしたり、二大ブロック以外の政党にとって極端に不利に働いたりもした。最近は、二極化から三党鼎立型への移行を経て、「二極四党体制」とでも呼びうる状況である。

フランスの多段階選挙方式の歴史は革命期にまで遡る。古い。コンクラーベのような神の意思を慎重に探る伝統に由来するか。歴史の異なる日本と単純比較できない。

巨大与党となっても日本のような強行採決は難しい。国会で逐条審議をしているから。憲法院は昔より強くなったがドイツの連邦憲法裁判所よりは弱い。    

小澤隆一委員(今回の議長)

 

田中案においては、ブロックごとに政党は名簿の方式を選ぶことができるのか。そうであればスペインの制度と似る。ルールをはっきりさせて選ばせたら良いと考える。

どのような制度であれ、それを利用する党派がいる。変な政治算術にならないようにと願う。「制度が目的を裏切らない」ものであれば良い。制度の真実性が問題となる。    

太田光征委員

 

田中案の大きな特徴はブロック制にある。しかしその理由が地域代表的性格というのでは弱い。ブロックごとの政党の得票に見合った議席数を配分するとなると、無所属候補に投じられ、当選基数に達しなかった死票が問題とならないか。全国からの投票を可能にした方が良い。    

小林五十鈴委員

 

多くの議員を見て回っている。現在大政党以外では中々当選できない選挙の仕組みになっている。新しい人がどうしたら出やすくなるのか。かつて行われていた中選挙区制や制限連記制などにも目配りが必要ではないか。    

田中久雄委員

 

「裁量型政党名簿式比例代表制」を提案する。政党名簿式の比例代表だが、政党要件を引き下げ(二人以上の候補者で政党とみなす)、政党に属さない候補者も立候補を可能とする(一人名簿)。全国1区ではなく、議員の地域代表の性格を加味して、いくつかのブロックに分ける。有権者は一人一票を政党または名簿記載の候補者に投票する。

最大の特徴は、名簿の種類を各政党の裁量によって選ぶことができるという点にある。拘束式や非拘束式名簿はもちろんのこと、『中間答申』にある大山礼子委員発案の「半拘束式」や、政党が定める「一部拘束式」も可能とする。

これにより、得票と議席の乖離・「一票の較差」・死票の多さ等の問題を解決できる。

いずれの政党も過半数を得ることは難しくなるが、コンセンサス型の政治と類似の政策を掲げる政党ブロック間による政権交代が期待できる。    

桂協助委員

 

田中案のように議席の配分を党内に任せると混乱しやすいのでは。標準的な名簿方式を一つ示すべきでは。

選挙区の範囲は重要。どの程度の規模が政党間論争にとって適しているか。大きくなればなるほど論争点が見えづらくなる。八方美人的な都合の良い政策を、いずれも訴えがちになる。民主政治を運営するにあたっては、桂案のような二人区/三人区の方が論争点を見えやすくする。    

山口真美委員

 

今後の進め方として、コンセンサスづくりの議論の仕方が必要となろう。太田委員・桂委員・田中委員それぞれの衆院改正案を伺って、制度改正案の方向性を部門としてまとめることは可能だと思う。自説も衆院については比例代表制。かなり違う意見を持っているなら出すべきだが、5-6月で絞るべき。衆議院が定まれば参議院が裏返しに合理的に進む。