とりプロなう87号

選挙市民審議会 第14回 第1部門審議会開催

 

2017年8月28日、衆議院第2議員会館地下一階第6会議室にて、とりプロ選挙市民審議会の第14回第1部門審議会が開催されました。

この日の審議は、

 ①「被選挙権年齢引き下げ」

 ②「外国人の参政権」

 ③「障害をもつ人の参政権保障」

 ④「学生等の選挙権保障」

について審議がなされました。

城倉 啓 とりプロ事務局長
     城倉 啓 とりプロ事務局長

 

城倉 啓 とりプロ事務局長

 

今秋の18歳成年年齢法改正を見込んで、被選挙権年齢(立候補できる年齢)の18歳への引き下げを提案したい。現行、参議院議員および都道府県知事の被選挙権年齢が30歳、衆議院議員および市町村議会議員・市町村長の被選挙権年齢が25歳となっている。

国政では民進党がそれぞれの5歳引き下げを(25歳と20歳)、また、日本維新の会が一律18歳への引き下げを提案している。

衆参の被選挙権年齢に差を付けることに合理的理由はない。また、選挙権と被選挙権を表裏一体と考えるならば、選挙権年齢18歳に被選挙権年齢も合わせるべきである。唯一障壁となっていた「未成年に議員としての社会的責任を負わせられるか」という論点も、今秋の法改正によって解決される。

ホームレスの人の選挙権保障はどのようになされるべきか。本人と認められる場合、福祉給付金のように投票用紙も給付されるべき。問題は誰がその実務を負担すべきかだ。

 

  

吉高 叶 外国人住民基本法の制定を求める全国キリスト教連絡協議会(外キ協)共同代表
吉高 叶 外国人住民基本法の制定を求める全国キリスト教連絡協議会(外キ協)共同代表

 

吉高 叶 外国人住民基本法の制定を求める全国キリスト教連絡協議会(外キ協)共同代表

 

外キ協は、指紋押捺拒否運動(1980年開始)への連帯に始まり、外国人登録法の抜本的改正を求める運動を経て、現在、「外国人住民基本法」の制定を求める運動を進めている団体。

同法案の21条(参政権)は、「永住の資格を有し、もしくは引き続き3年以上住所を有する外国人住民は、当該地方公共団体の議会の議員および長の選挙に参加する権利を有する。」と謳う。

特別永住者の人権ないしは社会権の保障は、日本の外国人政策のメルクマールとなる。歴史認識の明確化、歴史精算の必要性に立たなければ、施策は不安定かつ利用主義的なものとなるだろう。「資格」ではなく「権利」の問題。人間の尊厳や人権、社会にまつわる思想を問う問題。

 

 

 

 

 

濱野道雄委員
        濱野道雄委員

 

濱野道雄委員

 

マイノリティーに公平なチャンスを。外キ協作成の外国人住民基本法21条の趣旨を汲み、外国人参政権について以下のような新提案をしたい。

選挙権については、「地方政治への選挙権を3年以上の定住者は有する」「国政政治への選挙権を特別永住者は有する」の方向性で。

被選挙権についても、選挙権と被選挙権は表裏一体なので、「地方政治への選挙権を3年以上の定住者は有する」「国政政治への選挙権を特別永住者は有する」の方向性で。

理由として特別永住者に対する日本の戦争責任がある。諸外国にも、ニュージーランドやオーストラリア等の「イギリス臣民」であった国の人々に対して類例がある。

 

 

 

 

芝崎孝夫 障害をもつ人の参政権保障連絡会事務局長
芝崎孝夫 障害をもつ人の参政権保障連絡会事務局長

 

芝崎孝夫 障害をもつ人の参政権保障連絡会事務局長

 

障害をもつ人の参政権保障を考える場合、①投票する権利、②政治や選挙に関する情報を受け取ったり発信したりする権利、③自分たちが支持する政党や候補者を当選させるための政治・選挙運動の自由の権利、④障害をもつ議員が議会で自由に活動する権利が必要。

①については投票所の設備面の整備(スロープ、適度な明るさ、車椅子用トイレ、利用しやすい手話通訳・ガイドヘルパー、見やすい張り紙)、投票制度の改善が必要(自書での記名式投票、郵便投票、点字投票、代理投票等の課題)。「投票所 月より遠い 寝たっきり」。

②については政見放送の手話通訳保障、点字の選挙公報の配付、FAX・メールでの選挙運動の解禁が求められる。

③について。公選法は、国民のできる選挙運動を、該当における個々面接と、電話での選挙運動に限っている。しかし、障害をもつ人にはこのどちらもできない人がいる。自由な選挙の実現を要望したい。

④について、発語ができなくなった議員の議会での代読を認めなかった自治体があった(岐阜県中津川市)。障害をもつ議員の活動を保障すること、その際に、本人の選択する自由を認めるべきである。

 

 

小岩信治 一橋大学教員
      小岩信治 一橋大学教員

 

小岩信治 一橋大学教員

 

「投票したいのに投票できない」という制度上の問題に目を向けたい。

①住民票を移していないか、②移住して間もない人は不在者投票ができる。しかし学生の場合最高裁判例もあり、①の場合不在者投票は許されない。2015年の調査では学生は26.4%しか住民票を移していない。18歳選挙権が認められた今、学生と社会人の別をなくすべき。

不在者投票ではなく新住所で投票できる制度改正を提案する。現行公選法で定められた「選挙の公示日前日までに三ヶ月の居住実績」を、「二ヶ月に」短縮するのだ。そうすれば、4月に入学した一年生も、7月の参議院選挙に新住所の住民として、不在者投票もせずに、投票ができるようになる。

現場の選管の悩みや、小規模自治体職員の苦労にも配慮し、最低限の制度改善を提案。

 

 

 

 

坪郷實委員
         坪郷實委員

 

坪郷實委員

 

外国人参政権について、それぞれの国の歴史性が重要。濱野提案は、地方参政権に重点をおく、また特別永住者の権利に重点をおくということか。

障害をもつ人の参政権について、国際的には「なるべく読みやすい選挙公報を作成する」ということが標準となっている。

 

 

 

 

 

 

 

 

小林幸治委員
        小林幸治委員

 

小林幸治委員

 

外国人参政権について、地方はすぐにでも、国政はできるだけ早期に実現させたい。浜の提案にある、条件としての居住年数3年の根拠は何か。5年や10年という国もある。また、法律で一律に付与するべきか、それぞれの自治体に決めさせるべきか。

障害をもつ人の参政権について、代理投票を施設の管理者のみの関与とすると不正が生まれやすいので、投票者の身近な人・施設管理者・第三者ぐらい客観性を担保する立会人制度が必要では。

学生の参政権について、議論がマイナンバー制度を入れることに流れるのは避けたい。

 

 

 

 

 

 

片木淳共同代表
        片木淳共同代表

 

片木淳共同代表(今回の議長)

 

被選挙権年齢引き下げについて、成年年齢との一体化だけでは理由が弱い。もう少し別の理由も膨らませて。

外国人参政権について、国政選挙権と地方選挙権を可とし、国政被選挙権と地方被選挙権を条件付きの可とする、ニュージーランドの例が論理的。選挙権と被選挙権が表裏一体ならば、わたしたちは思い切って、全て外国人に等しい居住年数条件を付けて選挙権・被選挙権を保障するという提案でも良い。

障害をもつ人の参政権保障連絡会の精力的な取り組みは、わたしたちの公選法改正運動の推進力になる運動。ご提言の中で、制度改正までを必要とするものと、制度の運用改善で済むものがあるように思える。

学生の参政権について、三ヶ月を二ヶ月に短縮提案する際に、参議院選に投票できるという以外の理由はあるか。根本的な問題も取り扱いたい。

 

 

 

 

太田光征委員
         太田光征委員

 

太田光征委員(第2部門)

 

選挙権は人権。居所を住所とみなすのだから、行政はホームレスの人の参政権保障義務を怠っている。「住民基本台帳主義」が問題。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

韓国人の傍聴陪席者から、「16年以上日本に住んでいる。投票したいけれどもできない。しかし、もっと考えて欲しいのは特別永住者のこと。1946年の衆議院総選挙の際には、国は女性参政権を認める一方で、朝鮮・台湾の人々には『当面の間、選挙権停止』を告げた。アメとムチだ。そして1947年5月2日憲法施行の前日に日本国籍を奪った。」との発言がありました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



      【今後の選挙市民審議会の予定】

  9月11日(月) 14:00-16:00 第3部門審議会 衆議院第2議員会館 B1 第6会議室  
   9月25日(月) 10:00-12:30 第2部門審議会 衆議院第2議員会館 B1 第3会議室