とりプロなう91号

選挙市民審議会 第7回全体審議会開催

2017年10月25日、参議院議員会館1階102会議室にて、とりプロ選挙市民審議会の第7回全体審議会が開催されました。

この日の審議内容は、①被選挙権年齢引下げ、②外国人参政権、③立候補・議員活動のための休職、④衆参両院選挙制度、⑤政党助成金でした。

 

        片木淳共同代表
        片木淳共同代表

 

片木淳共同代表(第1部門)

 

①被選挙権年齢引き下げの議論と民法上の成年年齢とは切り離して考えるべき。

②改正案の結論に賛成。1995年2月28日の最高裁判例の用い方に難がある。感情的な記述を改め、歴史認識につき反論に対してきちんと反論できるように。

③公選法89-91条を削除し、公務員を含む被用者の立候補権行使に道を開く。労働基準法7条も改正し、公民権行使の保障を条文で列挙事例する。その中に被選挙権の行使を明示する。自衛隊員のみを排除できない。

④「クオータ制は違憲ではない」と踏み込めないか。参院改正案は、かつて弊害の指摘された「衆院中選挙区」に復活するおそれがないか。複数の定数に対して「一票」のみで良いのか。

⑤5%の積算根拠は何か。政党助成金の使途について誰がチェックするのか。

        只野雅人共同代表
        只野雅人共同代表

 

只野雅人共同代表(第2部門)

 

③「休職をして議員へ」のようなキャッチフレーズをつけた方が分かりやすい。

④議員総定数を衆院500から600程度、参院250から300程度とする。衆院はブロックごとの比例代表制。20程度の選挙区数とし、沖縄・北海道以外は、選挙区定数15を下回らないようにする。配分方式はドント式ではなくヘア基数最大剰余法。非拘束名簿式を採る。参議院は大選挙区単記投票制。15から20程度の選挙区数とし、改選選挙区定数を6から10程度とする。

クオータ制賛成の憲法学者もかなり慎重。

参院も直接選挙なので政党色は残る。どこまで薄められるか。

制限連記は評価が難しい。

       三木由希子共同代表
       三木由希子共同代表

 

三木由希子共同代表(第3部門、今回の議長)

 

①18歳選挙権は若年層の投票率を押し上げたか。未成年首長の被告資格は、その役職によって生じうる。成年とみなすべき。

②憲法93条2項の「住民」を「外国籍住民」と直ちに同一視することには慎重に。ファクトを重視し合理性のある記述を。たとえば「永住3年」の根拠を示すこと。

③地方議会では自営業者との兼職が多い。その実態に対して「サラリーマン立候補」にはインパクトがある。

④衆参を色分けして参院を「人物本位の選挙」とする際に、候補者を選ぶ過程のシステムも考慮すべき。衆参の選挙区数20が同じ区割りとなると、候補者選定過程や選挙運動のやり方が連動し、衆参の色分けは難しくなる。

⑤政党助成のうち5%を政策研究費に各政党が充てることの義務付けを提案する。ただしこれは抜本的な改正ではない。    

         太田光征委員
         太田光征委員

 

太田光征委員(第2部門)

 

③自衛隊員が大勢立候補してしまわないか。

④参院を「人物本位の選挙」とするという目的と、大選挙区単記投票という改正案が論理的に整合しているか。

         小澤隆一委員
         小澤隆一委員

 

小澤隆一委員(第2部門)

 

①被選挙権年齢は、民法上の成年年齢と切り分けて考えるべきだが、未成年首長が告訴される場合も想定して連動させているのか。

③ドイツにも公務休職制度がある。首長も含むと考えて良いか。

④参院は任期が長く衆院のおさえとなる。参議院での大選挙区導入は今までにない。

         桂協助委員
         桂協助委員

 

桂協助委員(第2部門)

 

③高額の供託金と、議員になるための休職を認めないことが、日本の民主主義の前進をおさえつけている。

④衆議院の選挙区定数を10程度にして最初に全国集計して議席数を配分し、次に選挙区集計に基づいて政党内で議席配分調整をしては。憲法を論拠にクオータ制を。

⑤5%の使途義務付けは遠慮しすぎ。全額政策研究のためでも良い。供託金を廃止すれば振り向けられる。

         田中久雄委員
         田中久雄委員

 

田中久雄委員(第2部門)

 

③市町村議会などの運用論として夜間議会も可能では。

④参院はゆるやかな政党政治を。大選挙区で制限連記制は、政党も個人も選べる。

⑤政党助成金の貯蓄も認めている現状を追認していないか。

      城倉啓とりプロ事務局長
      城倉啓とりプロ事務局長

 

城倉啓(とりプロ事務局長)

 

①現状25歳以上と30歳以上と定めている被選挙権年齢を、一律に18歳以上に引き下げる公職選挙法10条の改正を提案する。「立候補の自由は、選挙権の自由な行使と表裏の関係にあり、自由かつ公正な選挙を維持するうえできわめて重要である」との最高裁判決と、憲法15条1項に基づいて。

②かつて日本国籍を持っていた特別永住外国人には国政・地方双方の選挙権・被選挙権を保障し、10年以上の永住外国人には国政の選挙権を、3年以上の永住外国人には地方の選挙権・被選挙権を保障する公選法9・10条の改正を提案する。

⑤政党助成の使途について原案は女性候補者擁立のためという柱もあったが、第3部門の審議の過程で後ろに下がった。第2部門のクオータ制との関連ですり合せを。


【今後の選挙市民審議会の予定】

11月30日(木)10:00-13:00 全体審議会 『最終答申』準備

12月14日(木)10:00-13:00 全体審議会 『最終答申』決議

 2月 4日(日)14:00-17:00 第2期キックオフパーティー