とりプロなう93号

選挙市民審議会 第9回全体審議会開催

2017年12月14日、衆議院第2議員会館地下1階第5会議室にて、とりプロ選挙市民審議会の第9回全体審議会が開催されました。

この日の審議内容は、第2期選挙市民審議会委員の確定、翌年1月31日発刊予定の『選挙・政治制度改革に関する答申』全体の審議でした。

特に

 ①「はじめに」

 ②「総論」

 ③「選挙運動期間の撤廃」

 ④「国政の選挙制度」

 ⑤「都道府県および政令指定都市の議会選挙制度」

について集中的に検討がなされました。

        片木淳共同代表
        片木淳共同代表

 

片木淳共同代表(第1部門)

 

①「地方自治」は「民主主義」と並ぶ大きな概念。住民が代表者を選ぶという原理原則は、地方分権・住民自治・団体自治を含む。

③選挙日から90日前(政党等の届出)・60日前(候補者提出)・40日前(候補者発表)の根拠は何か。短すぎないか。一年前から選挙日を決めてやるということを前面に。

障害をもつ人の参政権保障は高齢者に対しても効いてくる。

       只野雅人共同代表
       只野雅人共同代表

 

只野雅人共同代表(第2部門、今回の議長)

 

②総論については、今回の審議を反映させて、買収罪についての言及内容を変える。

④前回審議の内容を引き受けた改訂案を国政選挙制度について今回出している。連記制にしたからとて女性議員が増えるかどうかは分からない。

⑤市区町村議会選挙に制限連記制を導入しても、グループ化の効果はそこまで見込めないだろう。

        坪郷實委員
        坪郷實委員

 

坪郷實委員(第1部門)

 

③選挙運動期間を撤廃し、新たに選挙実施のための手続規定の新設を提案する。ドイツの実例を参考に、選挙期日を約一年前に決定⇒政党等の届出(90日前)⇒候補者/候補者名簿の提出(60日前まで)⇒候補者/候補者名簿の発表(40日前まで)。地方は別個に手続規定を条例化できるようにするのが望ましい。

「公示」と「告示」の区別はない方が良いと考えている。どちらも「発表」。

今回の改正案は、衆議院議員の任期満了を原則としたい。

立候補の締切設定の課題は、期日前投票期間の設定と関わる。

買収罪・選挙妨害罪などを一般刑法に移動することは困難。むしろ単独の新法を創設して、そこにきちんと目的規定を入れるべき。次期選挙市民審議会で審議を。

        太田光征委員
        太田光征委員

 

太田光征委員(第2部門)

 

④「投票の結果価値の平等」とは、議員一人当たりの得票数の政党間などでの平等。2名連記制を採った場合、第二選好に投票した場合に、第一選好が落選する場合もあり、投票の結果価値の平等が保証されない。

⑤少数意見の付記を願いたい。都道府県および政令指定都市の議会選挙制度案としての比例代表制については、非拘束名簿式にすべきとの意見(衆院改正案との統一)。市区町村議会選挙制度案としての大選挙区制限連記制については、民意の適切な反映の点で懸念があるとの意見。

        小澤隆一委員
        小澤隆一委員

 

小澤隆一委員(第2部門)

 

③選挙運動期間がなくなった時に立候補の締切はどうなるのか。

④原案に、単記のデメリット、連記のメリットが書いてある。このままで良い。

         桂協助委員
         桂協助委員

 

桂協助委員(第2部門)

 

④原案の書きぶりだとクオータ制導入のために憲法改正が必要であるかのように読める。どうなるか分からないという書き方ではなく、現行参議院選挙の問題性を訴えつつ、望ましい方向性・立法目的を提起した方が良い。

⑤都道府県議会および政令指定都市議会選挙に比例代表制を導入する場合、原案の「みなし個人票」の計算方法に疑念がある。みなし個人票の合計数は、その政党に対する投票数と一致するべきだと考える。

        田中久雄委員
        田中久雄委員

 

田中久雄委員(第2部門)

 

④国政選挙制度の中で、「投票の結果価値」という言葉の説明がもう少し必要だと思う。ドイツ連邦裁判所の判例などを参考にして。

選挙についてのオンブズマン制度を新設してはどうだろうか。

        小林五十鈴委員
        小林五十鈴委員

 

小林五十鈴委員(第2部門)

 

Quotaのカタカナ表記は「クォータ」ではなく「クオータ」を望む。「クオータ制を推進する会(Qの会)」としては当初から赤松良子代表が「クオータ」を主張している。

選挙運動期間の撤廃で、国政選挙も地方選挙も「公示」としているが、地方は「告示」では。

老人ホームなどに居住している人の選挙権保障はどこまで考えられているのか。

          城倉啓
          城倉啓

 

城倉啓(とりプロ事務局長)

 

③選挙運動期間の撤廃は、ドイツと同様に、解散権の制約を含む。一年前に選挙日を決めるならば、その一年間に解散は行えない。

④わくわく感がかきたてられる書きぶりを願いたい。


【今後の選挙市民審議会の予定】

○1月31日(水)『選挙・政治制度改革に関する答申』発刊(一冊1,000円)。

予約購入受付中。郵送費が別途必要となります(5冊まで500円、10冊まで1,000円、15冊まで1,500円、16冊以上2,000円)。

 

 

○2月4日(日)14:00-17:00 東京都ボランティア市民活動センター

  『選挙・政治制度改革に関する答申』発刊記念シンポジウム

   片木淳・只野雅人・三木由希子 三人の共同代表登壇  

 

 

○第2期選挙市民審議会委員(任期:20181月1日から20191231日まで)

  片木淳・只野雅人・三木由希子(以上、共同代表3名)

  石川公彌子・大山礼子・小澤隆一・北川正恭・桔川純子・小林五十鈴・小林幸治・田中久雄・坪郷實・

  濱野道雄・山口真美(以上、委員11名)