とりプロなう100号

2018年8月28日、第二期選挙市民審議会の第6回目の審議会が開催されました。

この日のテーマは「政治資金収支報告の論点整理」。三木由希子共同代表が、政党交付金・選挙運動費用等の収支報告も含めて論点を提示しました。

また、今後の審議会の進め方や、「参議院議員選挙制度改正をめぐる声明(案)」についても審議をしました。

        三木由希子共同代表
        三木由希子共同代表

 

三木由希子共同代表

 

三つの視点から、政治資金収支報告書・政党交付金・選挙運動費用等を整理する。

 第一に「報告書提出の主体」、

 第二に「収支に関する制限」、

 第三に「報告と公表」。

 

①報告書提出の主体。政治資金収支報告書においては、政党(政党支部)、政治資金団体以外の政治団体(資金管理団体、国会議員関係政治団体)等が主体となる。政党交付金は、政党(政党支部)のみが主体。選挙運動費用等では政党が含まれず公職の候補者が主体となる。

 

②収支に関する制限。政治資金収支報告書は、収入に量的制限・質的制限等があるが、支出には制限がない。政党交付金において、収入は一定額が国庫から交付され支出には制限がない。選挙運動費用等では、公職の候補者に対する個人寄付は年間150万円までと制限される。支出にも上限額があり、使途制限は選挙運動規制と関連する。

 

 

③報告と公表。政治資金収支報告書は年に1回の報告。5万円以上の寄附者の氏名、20万円以上の政治資金パーティーの対価を払った者の氏名を報告。政治活動費のうち5万円以上を受けた者の氏名報告。100万円以上の資産の報告。公表は、要旨を公報で。インターネット報告書そのものを公表する場合は要旨の公表を省略できる。保存期間3年間。政党交付金は年1回の報告。収支の総額報告。人件費・水光熱費以外で5万円以上の支出の目的・金額・相手を報告。公表は、要旨を官報で。5年間閲覧可能。写しの交付は情報公開請求を要する。選挙運動費用等は選挙終了後に報告。寄付について氏名・住所・金額を報告。支出は、人件費・家屋費・選挙事務所費等の12費目に分けて報告。公表は、要旨を公報で。3年間閲覧可能。写しの交付は情報公開請求を要する。

これらのずれをどう考えるべきか。

 

政党に選挙運動費用収支報告を義務付けることの適否については、選挙制度全体の枠組みを考える必要がある。また、目的と原則を立て、何をあきらめるのかを整理すべき。小さな政治団体の報告を免除すると把握できなくなる。

選挙に使えるお金が増える改正になる見込み。難しいが政治活動費用と選挙運動費用との区分けができる仕組みが望ましい。政治家の財布をどのように一本化できるか。

公費による補助については社会的合意が必要。

         小林五十鈴委員
         小林五十鈴委員

 

小林五十鈴委員

 

どのようにしたら新しい人を政治の世界に送り出しやすくなるのか。政治分野における男女共同参画推進法の内実を作りたい。資金力に優る陣営に抗して。現状では政党公認の候補者以外は、供託金も確保しつつ、どれぐらいカンパが必要なのかも分からない。小さな集まりから候補者を出す場合の公費補助はありうるか。

          田中久雄委員
          田中久雄委員

 

田中久雄委員

 

現行の三種類の収支報告は複雑。整理統合が可能か。現行の報告で欠落がないか。選挙運動費用の報告を政党にも課すべきではないか。小さな政治団体に対して現行は厳しすぎる面もあるのでは。

選挙運動費用の上限規制について、上限を設ける場合は該当する選挙運動の種類を制限列挙するしかないのでは。漏れがあっても割り切るしかない。ある意味で空しい議論。公示/告示から投票日前日までだけが規制の対象だが、事実上選挙戦を行っている。

参院選挙制度声明については、大山委員の意見に強く同意。当審議会『答申』は、参議院を「人物を中心に選ぶ良識の府」にすべく大選挙区制を打ち出している。

      岡﨑晴輝委員(スカイプ参加)
      岡﨑晴輝委員(スカイプ参加)

 

岡﨑晴輝委員(スカイプ参加)

 

今後の予定について。本年10月に発題を担当するが、衆院選挙制度のみならず参院の抽選制についても提起したい。時間が足りない場合には翌年7月の担当時間にも継続したい。

       濱野道雄委員(スカイプ参加)
       濱野道雄委員(スカイプ参加)

 

濱野道雄委員(スカイプ参加)

 

今後の予定について。翌年7月の「議会の歴史的意義」の発題担当について了承。「議員の待遇」については相談したい。

             城倉啓
             城倉啓

 

城倉啓(とりプロ事務局長)

 

選挙運動費用の収支報告を候補者個人ではなく団体ベースに変えてはどうか。その団体の要件を現行の「政党」よりもゆるめて無所属候補も選挙に参画できるように。

声明案については本日の審議を受けた修正第二案を只野代表に作成していただきメール稟議にて成案としたい。

今後の予定について、岡﨑委員提起の参院抽選制については、前倒しして審議する可能性あり。

        只野雅人共同代表
        只野雅人共同代表

 

只野雅人共同代表(議長役)

 

選挙運動費用の上限規制については、費目をある程度ざっくり定めるしかないのでは。政治活動と選挙運動の区分けは目的で分けるべきか。とても難しい。

候補者の周辺の人々の活動までは規制すべきではない。テレビの有料広告も全面禁止には躊躇がある。

公費補助は選挙で日頃の活動実績を証明した政治団体に。それに加えてインセンティブを与えて政治団体に個人寄付をしやすくするように仕向けては。

本日の審議を経て、①政治資金については組織が管理・報告する方向、②選挙運動費用については典型的な費目を挙げて上限規制(総枠の規制)をする方向、③候補者の周辺で活動する人たちへの規制はしない方向、④政党交付金については政策形成のため等使途を定めていく方向、⑤新しく立候補する人たちを支援する方向を確認したい。



【今後の選挙市民審議会の予定】

 

9月27日(木)15:00-17:00 衆議院第2議員会館第3会議室

 公費負担・政治資金・政党助成改正原案。小林幸治委員担当

 

10月23日(火)10:00-12:00 国会議員会館内(会議室未定)

 『答申』への応答:国政選挙制度について。岡﨑晴輝委員担当

 選挙管理実務。太田光征事務局担当

 

11月28日(水)15:00-17:00 国会議員会館内(会議室未定)

 公費負担・政治資金・政党助成改正案。小林幸治委員・片木淳共同代表担当

 

12月21日(金)10:00-12:00 国会議員会館内(会議室未定)

 国民投票運動との関係。山口真美委員担当

 選挙管理実務改正案。太田光征事務局担当