とりプロなう103号

2018年11月28日、第二期選挙市民審議会の第9回目の審議会が開催されました。この日のテーマは「公費負担(残る公営部分)・政治資金・政党助成改正案」でした。担当は小林幸治委員と片木淳共同代表です。傍聴市民2名も交えて白熱の議論が繰り広げられ、2時間があっという間に過ぎました。

        小林幸治委員
        小林幸治委員

 

小林幸治委員

 

9月の審議会で寄せられた意見を汲んで、提言メモを手直しした。

議員の任期満了を原則とし、任期満了の90日前に選挙期日を決定し立候補届出の受付を開始する。解散・辞職場合は40日前。

立候補の届出期間を10日置いた。「立候補後選挙活動期間(仮)」を80日とした。解散・辞職の場合は30日。

120日前に「候補予定者」(仮)の届出を開始する。この時点で公営(公費負担)を開始する。120日前から90日前の30日を「立候補後選挙活動期間等(仮)」とする。

立候補後選挙活動期間等になされた、候補者の当選を促し又は獲得するための支出については、「選挙資金管理団体(仮)」によって収支報告させる。

候補者や政党以外の者が行う立候補後選挙活動等の支出が一定額を超える者(団体)は「選挙活動団体(仮)」として届出させる。

「候補予定者(仮)」にも公費負担をするのは、早めに立候補することのメリットを打ち出すため。

9種類の列挙事項以外にも選挙活動がありうるか。政党にも適用しうるか。

       田中久雄委員
       田中久雄委員

 

田中久雄委員

 

公費負担の対象は何か。「候補予定者(仮)」と立候補者の違いは何か。

列挙されている9種類の選挙活動(政治放送、広告、選挙人への配布物、マニフェスト等、世論調査、メディア関連の費用、交通費、集会、人件費等)も、政治活動であるならば良いということにならないか。

片木代表の意見に賛成。なるべく自由にし限定列挙・総枠規制が落としどころ。

       片木淳共同代表
       片木淳共同代表

 

片木淳共同代表

 

公営をいつからするかということと費用の総額規制をいつからするかは関わる。90日と120日とするのではなく、120日だけで良いのでは。

今までの議論の流れを整理したい。立候補前の選挙活動は完全に自由。それでは著しく不平等になるかもしれないので期間を設定してその期間だけ費用の上限規制をする。また資金力の無い人も立候補できるように一部公費で支援する。

選挙活動と政治活動の区別は、目的規定でできる。

小林案は現行の厳しすぎる個々の規制については撤廃している。

なぜ広告宣伝費だけに政党交付金の使途制限を設けるべきなのか、納得のいく理由をビシッと言えなければ盛り込めない。

       坪郷實委員
       坪郷實委員

 

坪郷實委員

 

90日前の期日決定ではなく、120日前でないとおかしくないか。あるいは1年前でも良いのでは。

「公示/告示」の表現の統一を。できれば新しい表現を考えてほしい。

現職議員の選挙活動の実費はカバーされないように思う。低く見積もられていないか。政治資金については「一層の透明化を図る改正」だけに絞っても良いのでは。

メディアの利用について、評価の議論が必要では。

        岡﨑晴輝委員
        岡﨑晴輝委員

 

岡﨑晴輝委員(スカイプ参加)

 

「立候補後選挙活動期間(仮)」には国会は閉会しているのか。地方議会や首長は。90日も臨時国会を招集できなくなるのは問題ではないか。

小林案は複雑では。現行の毎年の資金管理団体による収支報告を、毎月させるという改善ではどうか。

政党交付金の各政党への配分方法の見直しも必要では。総額の半分である得票率部分を、国会議員5人という政党要件を満たしている政党すべてに平等に配分してはどうか。

       太田光征事務局
       太田光征事務局

 

太田光征事務局

 

政党交付金の使途規制を。広告宣伝費や運動員集約的な人件費に使わせないようにしてほしい。

     三木由希子共同代表
     三木由希子共同代表

 

三木由希子共同代表

 

総額規制と公費負担が全候補者に同額ならば、早く立候補の意思を公表しても金銭面でのメリットは無い。総額規制がかかる期間が長ければ長いほど、自由がなくなる。

政治資金については年一回の収支報告。公費負担を入れると、新たな枠組みが必要となる。

小林案では政治団体の数が制限されていない。「候補予定者(仮)」は資金管理団体を設立できないのでは。

資金力の多寡が影響を与える類(政治放送・広告)は著しい不平等を生む。列挙されている9種類の選挙活動しかしてはいけないということか。

政党にもこの9種類は適用しにくい。特に人件費については政党職員がひっかかる。

今日の審議で、①立候補後選挙活動期間(仮)の長さ、②任期満了を基礎に考えること、③総枠規制の対象となる選挙活動などについては大まかに合意ができた。今後、④候補者と政党の関係、⑤公費負担の対象。⑥規制対象の捕捉方法、⑦政治活動との関係、⑧政党助成の関係等が、次回以降に積み残された。

       城倉啓事務局長
       城倉啓事務局長

 

城倉啓事務局長

 

2019年1-5月の間で、もう一度同じテーマで審議をし、2019年後半に予定されている「まとめ」の審議で磨き上げていきたい。



【今後の選挙市民審議会の予定】

 

12月21日(金)10:00-12:00国会議員会館内会議室

 国民投票運動との関係。山口真美委員担当

 選挙管理実務論点整理。太田光征事務局担当

 

1月29日(火)15:00-17:00国会議員会館内会議室

 請願制度。小林幸治委員担当

 国民投票法改正案。山口真美委員担当

 選挙管理実務改正案。太田光征事務局担当

 地方議会・首長選挙に関する声明。事務局桂協助担当